『その着せ替え人形は恋をする(着せ恋)』15話が神回だった理由|コスプレと「好き」に寄り添う感動回

2025年夏アニメ

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🪞 第1章|「女装されてるじゃないですか?」──問いに込められたまっすぐな意味

五条があまねに向けた問い――「姫野さん、女装されてるじゃないですか?」。

その言葉にあまねは一瞬、身構えるような反応を見せた。過去のあるトラウマから五条の問いに対してどんな意図なのかを慎重に見極めようとしていたのかもしれない。

けれど、五条の表情にあったのは偏見ではなく、コスプレやメイクへの純粋な興味とリスペクト。前半部分でメイクについて語り合う姿からも、五条が本当にこの世界観を愛していることが伝わってくる。

まっすぐな眼差しがあまねの心の壁を少しずつほどいていくこのシーンは、物語の核心への導入として、非常に印象的だった。

🧷 第2章|まだ残る引け目──写真撮影とその返答に救われる

イベント会場でスバルんのコスプレをしていたあまねに、「お写真一緒にいいですか?」と声をかけた女性レイヤーたち。

その言葉に一瞬うろたえながらも、あまねは「でも僕、男で女装なんです」と正直に伝える。

そのセリフには、まだどこか引け目がにじんでいた。けれど返ってきたのは――「お、推せる!」「ありがとうございます!!!」。まっすぐで自然体な肯定の言葉だった。

さらに、写真撮影が終わったあとにあまねが漏らした一言「昴ちゃんが2位になったばっかりだから結構声かけてもらえてるのかな?」とこぼすあまねに、海夢は少し驚いた表情で即答する。「あまねさんのすばるんがめっちゃいいからですよ」

偏見も、遠慮もない、リスペクトに満ちたやりとり。“同じ好き”でつながった人たちの温かさに、あまねは確かに救われていた。

🎭 第3章|映さないことで語られる“自信のなかった自分”

あまねが語る、コスプレとの出会い。姉にメイクを教わり、服を借り、家族から「かわいい」と褒めてもらえたこと。その優しさの中で少しずつ自分を肯定できるようになった過去。

けれど、学校では「男っぽくない」と笑われ、次第に自信を失っていった。

そんな彼の心を象徴するように、回想シーンではあまねの“顔”が一切映らない。自己肯定感が持てなかった頃の彼は、画面の中でも“姿”を持てなかったのだ。

彼女もできたことがあると語るあまね。その回想シーンでの描写の中で一瞬だけ自分の顔が写るシーンがあるが

勇気を出して彼女に自分の趣味を伝えるその瞬間目元が一瞬だけ見え、次のシーンではまた消えていた

そのシーンには彼女もでき自分にも段々と自信が持てるようになり少しだけ前に進めていたことを表しているように見えたが

彼女の言葉によってまた振り出しにもどってしまう。。。そんな演出に見え、胸が締め付けられる気持ちになった

その演出があまりにも静かで残酷で、心に深く残る。

🫂 第4章|「わかるよ」って、言葉にしなくても伝わる

あまねの心の奥に触れたとき、五条と海夢は言葉にせずともその思いを受け止めていた。

五条は、雛人形が好きな自分を笑われた過去がある。海夢も、「変」と言われた経験がある。

だからこそ、あまねの“好き”がどれほど大切で、壊れやすいものかを知っている。彼らが言葉以上に態度で示した「大丈夫」という姿勢は、あまねの心を静かに支えていた。

“好き”を否定された人が、誰かの“好き”を守る人になる。そんな優しい循環が、確かにそこにはあった。

💫 第5章|五条と海夢の関係を見つめるあまねの微笑みと、そっと願う想い

イベントの帰り際、海夢のテーピングが剥がれるトラブルを、五条がそっと直してあげる。
あまねは、その様子を少し離れた場所から静かに見つめていた。

寄り添い合うふたりの姿は、とても自然で、穏やかで、心地よくて。
それを見つめるあまねの表情には、やわらかな微笑みが浮かんでいた。

それは、ただの憧れではない。
きっと、あんなふうに誰かと支え合える関係を、自分も築けたらいいなと、そう願う気持ち。
そして、その関係がどれほど尊くて、どれほど貴重なものかを知っているからこそ、
羨ましさと嬉しさが入り混じったような、あたたかい眼差しだったのだと思う。

あまねがそっと心の中で呟いた言葉。

「仲良く、コスプレ続けて欲しいな」

そのひと言には、過去の自分を受け入れられるようになったあまねの変化と、
他人の幸せを心から願えるようになった今の彼の優しさが込められていた。

視聴者の心もまた、そのやさしさにそっと包まれていくようだった。

🌸 まとめ|「好き」を肯定してくれる世界が、ここにある

コスプレという“好き”を通して、つながり、支え合うキャラクターたちの姿に、心がじんわりと温まった第15話。

どのシーンも温かく、どの言葉にも意味があり、まさに神回と呼ぶにふさわしいエピソードだった。

“好き”を笑われた過去があっても、今こうして“好き”を分かち合える。そんな世界が、着せ恋にはちゃんと描かれている。

視聴後、誰かにやさしくしたくなる。そんな余韻が、この回には詰まっていた。

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